カラーとトーンを調整する

CorelDRAW では、ビットマップのカラーおよびトーンを調整できます。たとえば、カラーの置き換え、カラーの輝度、明度、強度の調整などが可能です。

トーンおよびカラーを適用すると、影やハイライトによって見えなくなった細部の復元、カラー キャストの除去、露光不足や露光過多の補正を行い、ビットマップの全体的な画質を向上させることができます。イメージ調整ラボを使用して、カラーとトーンを素早く補正することもできます。詳しくは、イメージ調整ラボ.を参照してください。

自動調整コマンドや次のフィルタを使用して、ビットマップのカラーおよびトーンを自動的に調整することができます。

効果	説明
輝度/コントラスト/強度	すべてのカラーの輝度、および明るい領域と暗い領域の差を調整します。
チャンネル ミキサー	カラー チャンネルを混合して、ビットマップのカラー バランスを調整します。たとえば、ビットマップが赤っぽい場合は、RGB ビットマップの赤のチャンネルを調整して画質を修正します。
カラー バランス	ビットマップ内で選択したトーンに、シアンまたは赤、マゼンタまたは緑、イエローまたは青を加えます。たとえば、写真の青を弱くする場合、カラー値を青からイエローにシフトします。
コントラストの向上	影とハイライトの細部を残したまま、ビットマップのトーン、カラー、およびコントラストを調整します。インタラクティブ ヒストグラムでは、輝度値を印刷可能範囲内にシフトまたは圧縮することができます。ビットマップの値をサンプリングすることによってヒストグラムを調整できます。
彩度の低減	ビットマップ内の各カラーの彩度をゼロにして、色相コンポーネントを取り除き、各カラーをグレースケールに変換します。この方法を使うと、カラー モデルを変更せずにグレースケールのモノクロ写真効果を作成できます。
ガンマ	ガンマは、隣接するピクセルの人間の目による知覚を考慮したトーン補正方式です。たとえば、10 パーセントのグレーの円を黒い背景に、そして同じグレーの円を白い背景に置くと、輝度値がまったく同じであるにもかかわらず、人間の目には、黒に囲まれた円の方が白に囲まれた円より明るく見えます。ガンマ効果を使用すると、コントラストの低いイメージでも、影やハイライトに大きな影響を与えることなく細部が見えるようにできます。この効果はイメージの値に影響を与えますが、曲線ベースなので、変化は中間トーンに重みが置かれています。
色相/彩度/明度	ビットマップのカラー チャンネルを調整して、スペクトラム内のカラーの位置を変更します。カラーとその鮮やかさ、およびイメージの白さ加減を変更できます。色相はドミナント カラー (赤、緑、青、イエローなど) を、彩度はそのカラーの鮮やかさの度合いを、明度はイメージの全体的な白さ加減のパーセンテージを表します。
部分的均一化	エッジ付近のコントラストを強くして、明るい部分と暗い部分の細部が鮮明に見えるようにします。この処理により、比較的一様な領域の中央部に不自然なコントラスト変化が現れることがあります。その場合は領域を広げて、イメージに存在するすべての一様な領域よりも広くすると、解消できます。該当するピクセルの周りの領域について高さや幅を設定すると、コントラストを強くすることができます。均等比率を維持する場合は、[ロック] ボタン を有効にします。
カラーの置き換え	ビットマップ カラーを別のカラーに置き換えます。置き換えるカラーを定義するためのカラー マスクが作成されます。設定範囲に応じて、単一カラーを置き換えるか、またはビットマップ全体をあるカラー範囲から別のカラー範囲にシフトすることができます。新しいカラーの色相、彩度、明度を設定できます。
サンプル/ターゲットのバランス	イメージから取り出したサンプル カラーと比較しながら、ビットマップのカラーの値を調整します。イメージの暗い部分、中間トーン、明るい部分からサンプル カラーを選択して、各サンプル カラーにターゲット カラーを適用できます。たとえば、ビットマップで最も暗いトーンと最も明るいトーンを選択し、それぞれを黒と白にマッピングすることで、ビットマップのコントラストを強めることができます。イメージの暗い範囲、中間トーンの範囲、明るい範囲からサンプル カラーを選択し、ターゲット カラーを各サンプル カラーに割り当てると、サンプル カラーと同じカラーのピクセルが調整され、対応するターゲット カラーで表示されます。
選択カラー	ビットマップの赤、イエロー、緑、シアン、青、マゼンタのカラー スペクトラムの、CMYK プロセス カラーの比率を増減してカラーを変えます。このフィルタを使用して、イメージのグレースケール トーン コンポーネントにプロセス カラーを追加することもできます。選択カラーの変更では、カラー スペクトラムの各プライマリ カラーを構成するシアン、マゼンタ、イエロー、および黒のピクセルのパーセンテージを増減します。たとえば、赤スペクトラムのマゼンタの比率を減らすと、イエローにシフトします。逆に、赤スペクトラムのマゼンタの比率を増加させると、カラーがマゼンタ方向にシフトされ、全体に赤系のトーンが増加します。カラー変更の範囲は、主として選択した調整比率方式によって異なります。
トーン カーブ	各ピクセルの値を個別に調整して、カラーを正確に補正します。ピクセルの輝度の値を変更することにより、影、中間トーン、およびハイライトを変更することができます。詳しくは、トーン曲線フィルタ.を参照してください。

カラーとトーンを自動調整するには

2 .	[効果] [調整] [自動調整] をクリックします。

輝度、コントラスト、強度を調整するには

2 .	[効果] [調整] [輝度/コントラスト/強度] をクリックします（またはCtrl + Bキーを押します）。

輝度、コントラスト、強度を調整することで、イメージの明瞭さと画質が向上します。

[輝度] により、トーン範囲の全ピクセル値が上下し、全カラーが均等に明るくまたは暗くなります。

[コントラスト] は、明るいカラーと暗いカラーの違いを調整します。

[強度] は、描画の明るい領域を明るく、または暗い領域を暗くします。

通常、コントラストと強度は同時に使用します。これは、コントラストを強めると影やハイライト部分の細かな部分が失われることがあるためです。その場合、強度を上げると細かな部分が復元されます。

カラー バランスを調整するには

2 .	[効果] [調整] [カラー バランス] をクリックします （またはCtrl + Shift + Bキーを押します）。

カラー バランス効果が使用されて、イメージのカラーが青からイエローにシフトされています。

ガンマ効果を適用するには

2 .	[効果] [調整] [ガンマ] をクリックします。

中間トーンを調整すると、コントラストの低いイメージでも、影やハイライトに影響を与えることなく細部が見えるようにできます。

色相、彩度、明度を調整するには

2 .	[効果] [調整] [色相/彩度/明度] をクリックします （またはCtrl + Shift + Uキーを押します）。

色相/彩度/明度効果は、イメージに含まれるカラーを変更するために使用します。

カラーを置き換えるには

2 .	[効果] [調整] [カラーの置き換え] をクリックします。

ヒント: ビットマップからカラーを選択するには、スポイト ツール をクリックして、イメージをクリックします。

カラーの置き換え効果が適用され、出現する赤がすべて紫に置き換えられています。

サンプル/ターゲットのバランス効果を適用するには

2 .	[効果] [調整] [サンプル/ターゲットのバランス] をクリックします。

4 .	[低ポイント] 、[中ポイント] 、[高ポイント] の各スポイト ツールをクリックし、イメージ内をクリックして薄い領域、中間トーンの領域、濃い領域をそれぞれ選択します。

ビットマップ内のサンプル カラーがターゲット カラーにマッピングされて、イメージに含まれる影、中間トーン、ハイライトが調整されています。

[自動的にクリップする] チェック ボックスをオンにして、ヒストグラム表示の範囲を設定し、スパイクがすべてグラフに収まるようにします。[自動的にクリップする] チェック ボックスがオフの場合は、[クリップ] ボックスを使用して、ヒストグラムで明るいカラーと暗いカラーを特定する際に無視される輝度値の割合を設定します。

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