イメージのサイズおよび解像度


イメージのサイズと解像度は印刷画質を左右します。アートワークで想定している使い方に合ったサイズと解像度を選択します。

イメージの寸法

幅や高さを調整して、イメージの物理的なサイズを変更できます。単位を選択する際には、以下のヒントを参考にしてください。

イメージを後で印刷する場合は、プリンタに合った 1 インチ当たりのドット数 (dpi) 設定で、幅と高さをインチ、センチメートル、ポイント、またはパイカ単位で指定します。
イメージを後で Web で使用する場合は、単位としてピクセルを選択します。

イメージの解像度

解像度は、イメージ ファイルに含まれるディテールの量、または、入力デバイス、出力デバイス、表示デバイスで再現できるディテールの量です。解像度は、1 インチあたりのドット数 (dpi) またはピクセル数 (ppi) で表されます。解像度を低くすると、粒子の質感が出ます。解像度を高くすると、画質は向上しますが、ファイル サイズが大きくなります。アートワークを後でデスクトップ プリンタで印刷するか Web で使用するかにかかわらず、最終イメージが意図したとおりになるように、以下の事項を考慮してください。

通常、コンピュータのモニタに表示するためだけに作成されたイメージは 96 dpi または 72 dpi で、Web 用に作成されたイメージは 72 dpi です。
デスクトップ プリンタでの印刷用に作成されたイメージはほとんどが 150 dpi ですが、商用印刷用のイメージは通常 300 dpi 以上です。

画面上のイメージのサイズは、イメージのピクセルの高さと幅、ズーム レベル、およびモニタの設定によって異なります。その結果、イメージのサイズは画面上と印刷物で異なることがあります。

イメージのリサンプル

リサンプルでは、イメージの解像度やピクセル サイズの変更に合わせてイメージのディテールの量を変更します。

イメージの解像度とサイズを同時に変更することができます。左から右へ: ダウンサンプリングされたイメージ、オリジナル イメージ、アップサンプリングされたイメージ。

ダウンサンプリングでは、イメージに含まれるピクセルの総数が減少します。通常、イメージのカラーとトーンを補正した後、シャープ化する前にダウンサンプリングを行うと、最もよい画質が得られます。

イメージのダウンサンプリング

アップサンプリングでは、イメージにピクセルが追加されます。Corel PHOTO-PAINT では、画質やディテールを失うことなくイメージを拡大できます。いくつか用意されているアップサンプリング モードから、ニーズに応じて選択できます。バイキュービック法では、既存のピクセル間に新たなピクセルが追加され、近隣のピクセルのカラーに基づいて補間されます。この方法により、滑らかな階調グラデーションが生成されます。ニアレストネイバー法では、新たなすべてのピクセルはアップサンプリング元イメージの最も近いピクセルで置き換えられます。そのため、同じ色のピクセルが複数生成されます。この方法ではシャープなディテールが保持されますが、線や曲線が滑らかではなくなり、エッジがギザギザになることもあります。ほかにも、クリーンなエッジ、シャープ度、精細なディテールを保持してイメージを拡大するために、高度な機械学習テクニックが使用されています。イラストフォトリアルという 2 種類の AI 技法では、アーティスティックなイメージや写真を大量に分析した結果に基づき、ニューラル ネットワーク アルゴリズムを使用してノイズの軽減、ピクセレートの処理、カラーの維持を達成しています。低レベルのぼかしやシャープ化の技法を駆使してカートゥーンのような効果を生むイラスト法は、グラフィック デザイン ソフトウェアで作成したロゴ、デッサン、イラスト、絵などのイメージに最適です。フォトリアル法は写真のサイズ変更に最適です。

(左) 元の写真、(右) 元サイズの 3 倍に拡大された写真。

使用システムのハードウェア構成によっては、イラスト法やフォトリアル法を使用した場合に、イメージのアップサンプリングに数秒から数分かかることがあります。処理の完了までに 3 秒以上かかると推定された場合は、進捗バーが表示され、残り時間が示されます。アップサンプリング処理はいつでもキャンセルできます。

イメージのファイル サイズは、アップサンプリングでは大きくなり、ダウンサンプリングでは小さくなります。解像度固定でリサンプルした場合、イメージの解像度はピクセルの追加や削除によって維持されますが、ファイル サイズは増減します。可変解像度でリサンプルした場合、イメージのインチ、ミリメートル、またはセンチメートル単位でのサイズは変わりませんが、ピクセル サイズが変わり、元イメージとは異なる解像度になります。

イメージの寸法を変更するには

上へ戻る
1 [イメージ] [リサンプル] をクリックします。
2 [幅] ボックスと[高さ] ボックスの横にあるリスト ボックスから、測定単位を選択します。
3 次の表のタスクを 1 つ実行します。

 

目的
作業手順
イメージのダウンサンプリング
イメージのサイズを小さくするには、[幅] ボックスと [高さ] ボックスに値を入力するか、スケール率として 100% を下回る値を選択します。[モード] 領域でダウンサンプリングの手法を選択して、ピクセルの除去方法を指定します。
バイキュービック — バイキュービック補間を使用して、トーンのグラデーションを滑らかにします。
ニアレストネイバー — シャープなディテールが保持されますが、線や曲線が滑らかではなくなり、エッジがギザギザになることがあります。
イメージのアップサンプリング
イメージのサイズを大きくするには、[幅] ボックスと [高さ] ボックスに値を入力するか、スケール率として 100% を上回る値を選択します。[モード] 領域でアップサンプリングの手法を選択して、ピクセルの追加方法を指定します。
バイキュービック — バイキュービック補間を使用して、トーンのグラデーションを滑らかにします。新しいピクセルが既存のピクセル間に追加され、近隣のピクセルのカラーに基づいて補間されます。
ニアレストネイバー — 新しいすべてのピクセルは、アップサンプリング元イメージの最も近いピクセルで置き換えられます。そのため、同じ色のピクセルが複数生成されます。この方法ではシャープなディテールが保持されますが、線や曲線が滑らかではなくなり、エッジがギザギザになることもあります。
イラスト — 低レベルのぼかしやシャープ化の技法を駆使してアーティスティックな効果を生み出します。グラフィック デザイン ソフトウェアで作成したロゴ、デッサン、イラスト、絵などのイメージに最適です。
フォトリアル — エッジの鋭さ、カラーのグラデーション、テクスチャ、精細なディテールを保ちます。この方法は、写真のサイズ変更に最適です。
[ノイズ軽減] スライダを動かして、ノイズ軽減レベルを設定します。
注記: [ノイズ軽減] オプションはイラスト法かフォトリアル法でのみ使用できます。
4 [OK] をクリックします。

 

可能な操作
縦横比を維持する
[縦横比の維持]チェック ボックスをオンにします。
ピクセル数を変えずに (リサンプルなしで) イメージのサイズを変更する
[オリジナルのファイル サイズを維持] チェック ボックスをオンにします。
イメージの縦横比を変更すると、解像度が自動的に調整されます。
注記:
このオプションは、解像度を上げるためにイメージ サイズを小さくする場合に便利です。
このチェック ボックスがオンの場合、イメージに含まれるピクセルの合計数は変わらないので、[測定単位] リスト ボックスの [ピクセル] オプションはグレー表示になります。

*

時間の見積もりは、システムのハードウェア、および Corel PHOTO-PAINT タスク開始時にバックグラウンドで実行されていたプロセスの分析に基づいています。Corel PHOTO-PAINT の起動後に、パフォーマンスに影響するプロセスやアプリケーションが開始される状況は考慮されていません。

イメージのアップサンプリングには、デフォルトでコンピュータの GPU (グラフィック処理ユニット) が使用されます。ただし、システムの GPU が CUDA または OpenCL (1.2 以降) をサポートしておらず、Corel PHOTO-PAINT と互換性がない場合は、[ツール] [オプション] [グローバル] で、[一般] をクリックし、[アップサンプリングのアクセラレーションに GPU を使用] オプションをオフにすることで、代わりに CPU (中央処理ユニット) を使用するように設定できます。Corel PHOTO-PAINT のシステム要件について詳しくは、システム要件.を参照してください。

アップサンプリングのフォトリアル法とイラスト法は、64 ビット バージョンの CorelDRAW Graphics Suite のみサポートしています。

イメージの寸法を変更するときは、元の値の整数倍または整数分の 1 の幅と高さの値を使用するとよい結果が得られます。たとえば、イメージを 50% 縮小すると、サイズを 77% 縮小した場合よりも見栄えのよいイメージになります。イメージを 50% 縮小するときは、ピクセルは 1 つおきに削除されますが、イメージを 77% 縮小する場合は、ピクセルは不規則に削除されます。

イメージの解像度を変更するには

上へ戻る
1 [イメージ] [リサンプル] をクリックします。
2 [解像度] の次のボックスのいずれかに値を入力します。
水平方向
垂直方向

 

可能な操作
イメージの幅と高さの比率を一定に保つ
[縦横比の維持]チェック ボックスをオンにします。
ファイル サイズを維持する
[オリジナルのファイル サイズを維持] チェック ボックスをオンにします。
解像度を変更すると、イメージの縦横比が自動的に調整されますが、ファイルに含まれるピクセルの合計数は変わりません。

*

ピクセルが単位に設定されているイメージをリサンプルした場合、イメージのサイズも変わります。

[縦横比の維持]チェック ボックスがオンになっている場合、[同一値]チェック ボックスは使用できません。

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