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レイヤーの基本

Corel Painter は 2 種類のレイヤーを使用します。レイヤーの取り扱い方法は、レイヤーに含まれるデータの種類によって異なります。レイヤーの管理には [レイヤー] パネルを使用し、レイヤーの修正にはレイヤー調整ツールを使用します。レイヤーの作成、名前の指定、保存、削除などの操作もできます。

レイヤーとは

Corel Painter では、レイヤーとはイメージ データを持つオブジェクトのことです。各レイヤーが独立したオブジェクトで、キャンバスや他のレイヤー上のイメージに影響を与えることなく、移動・編集できます。同様に、どのレイヤー上のイメージも変更することなく、キャンパス上のイメージを編集することができます。

レイヤーには、ピクセルベースまたはベクタベースのイメージを作成することができます。レイヤーの取り扱い方法は、レイヤーに含まれるデータの種類によって異なります。レイヤーを使用するときは、[レイヤー] パネルとレイヤー調整ツールを使用します。

レイヤーの種類

レイヤーには、次の 2 種類のイメージを作成することができます。

Corel Painter には、以下の特殊なレイヤーもあります。

Corel Painter の機能の中には、デフォルトのピクセルベースのレイヤーでしか使用できないものもあります。これらの機能をシェイプ、水彩レイヤー、リキッドインク レイヤー、ダイナミック レイヤーなどに使用するには、デフォルトのレイヤーに変換する必要があります。

ピクセルベースのレイヤー

どの種類のブラシでも、レイヤー上にピクセルベースのイメージを作成することができますが、水彩ブラシ、リキッドインク ブラシ、および水彩に使用するブラシは使用できません。また、イメージをペーストまたは配置することにより、レイヤー上にピクセルベースのイメージを作成することもできます。

レイヤーは、たとえば、イメージホースノズルの作成、イメージ内への URL の埋め込み、アニメーションの作成など、特定の操作に使用することもできます。

ベクタ シェイプのレイヤー

シェイプは、ベクタベースのオブジェクトです。シェイプ ツールの 1 つ ([ペン ツール]、[フリー ハンド ツール]、長方形シェイプ ツール、楕円形シェイプ ツール、または [テキスト ツール]) を使用してシェイプを作成すると、Corel Painter は自動的に新規レイヤーを書類に追加します。新規シェイプは、それぞれ独立したレイヤーになります。複数のシェイプをグループ化したり 1 つのシェイプにマージすることもできます。

シェイプにはピクセル情報を含めることができません。シェイプをブラシでペイントしたり、グラデーションで塗り潰したりするなどのピクセルベースの操作を行うには、シェイプをピクセルベースのレイヤーに変換する必要があります。

この章では、[レイヤー] パネルでシェイプを管理する方法について説明します。シェイプの作成と使用について詳しくは、シェイプ.を参照してください。

フローティング オブジェクト レイヤー

フローティング オブジェクト レイヤー内のイメージは、レイヤー内で移動することができます。詳しくは、フローティング オブジェクトを使用する.を参照してください。

リファレンス レイヤー

リファレンス レイヤーには、他のレイヤーが低解像度で表示されます。リファレンス レイヤーを使用すると、標準のレイヤーをさらに簡単に操作することができます。詳しくは、リファレンス レイヤーを使用する.を参照してください。

ダイナミック レイヤー

ダイナミック レイヤーは下にあるイメージにダイナミックな効果を与えるレイヤーです。ダイナミック レイヤーの中には、[ガラス越し効果] や [明度補正] レイヤーのように、特定の領域内で下にあるイメージと相互に影響し合い、効果を実現するものもあります。また、リキッド メタル ダイナミック レイヤーなどのように、ブラシストロークを適用するごとに、下にあるイメージと相互に影響し合うダイナミック レイヤーもあります。

ダイナミック レイヤーは単独のオブジェクトであるため、他の効果とは異なります。ダイナミック レイヤーには [レイヤー] パネルからアクセスし、いつでも設定を更新して効果を変更することができます。

この章では、[レイヤー] パネルでダイナミック レイヤーを管理する方法について説明します。ダイナミック レイヤーの作成と使用について詳しくは、ダイナミック プラグインを参照してください。

水彩レイヤー

水彩レイヤーは、水彩ブラシおよびリアル水彩ブラシのためのレイヤーです。このレイヤーでは、水彩ブラシを使用して絵の具を混ぜ合わせ、流れるようにペイントできます。書類内に複数の水彩レイヤーを作成することもできます。これらのレイヤーはレイヤー階層の一部で、「水彩」で始まるレイヤー名で [レイヤー] パネルに表示されます。

古いバージョンでは、水彩ブラシストロークを適用すると、キャンバス レイヤーに適用されていたので、編集できませんでした。現在は、水彩ブラシをキャンバスや標準レイヤーに適用すると、新規の水彩レイヤーが自動的に作成されます。その他のレイヤーと同様に、水彩レイヤーでもそれ以外のレイヤーを変更せずに、消去やぼかしなどの編集を行うことができます。

詳細は、水彩レイヤーを使用する.を参照してください。

リキッドインク レイヤー

リキッドインク レイヤーはリキッドインク ブラシのためのレイヤーです。書類内に複数のリキッドインク レイヤーを作成できます。これらのレイヤーはレイヤー階層の一部で、「リキッドインク」で始まるレイヤー名で [レイヤー] パネルに表示されます。

[リキッドインク] ブラシをキャンバスやイメージ レイヤーに適用すると、新規のリキッドインク レイヤーが自動的に作成されます。他のレイヤーを変更せずにリキッドインク レイヤーを編集できます。

詳細は、リキッドインク ブラシを使用する.を参照してください。

シェイプ レイヤー

シェイプを作成すると、[レイヤー] パネルに新しいシェイプ レイヤーが追加されます。ピクセルベースのレイヤーで使用するオプションやコントロールの多くは、シェイプにも適用できます。たとえば、シェイプはレイヤーと同じ方法で移動できますが、シェイプには効果を適用したり、合成方法を変更してシェイプとその下のイメージとの関係を制御できます。詳細は、シェイプの基本.を参照してください。

テキスト レイヤー

テキスト ツールでテキストを挿入すると、テキスト レイヤーが [レイヤー] パネルに追加されます。テキスト レイヤーには 1 つのテキスト ブロックが表示されます。テキストはイメージとは別のレイヤーに書き込まれるため、イメージを操作するときにテキストの属性を変更する必要はありません。いつでもレイヤーを選択して編集することができます。詳細は、テキスト レイヤーについて.を参照してください。

[レイヤー] パネル

書類内のレイヤーはすべて、[レイヤー] パネルに一覧表示されます。[レイヤー] パネルではレイヤーの階層を管理し、レイヤーの選択、表示、ロック、削除、名前の指定、グループ化などの操作を行うことができます。

パネルの下部にあるボタンと [レイヤー] メニューを使用して、レイヤーの多くの機能やコマンドにアクセスできます。

[レイヤー] パネルには、レイヤーの種類と特性を示すアイコンが表示されます。[レイヤー] パネルに表示されるアイコンは以下の表のとおりです。

アイコン	内容
	キャンバス レイヤー
	ピクセルベースのレイヤー
	シェイプ レイヤー
	フローティング オブジェクト
	リファレンス レイヤー
	ダイナミック レイヤー
	水彩レイヤー
	リキッドインク レイヤー
	テキスト レイヤー
	レイヤー グループ
	拡張グループ
	可視レイヤー
	非表示のレイヤー
	ロックされたレイヤー

[レイヤー] パネルでは、レイヤーの不透明度の設定や合成方法の選択を行うこともできます。詳しくは、レイヤーの不透明度を設定するおよび合成方法を使用してレイヤーをブレンドする.を参照してください。

[ナビゲーション] パネルには、レイヤー コンテンツの寸法と配置に関する情報が表示されます。詳しくは、イメージを操作する/イメージ情報を表示する.を参照してください。

[レイヤー] パネルを表示するには

•

[ウィンドウ] [レイヤー] を選択します。

デフォルト レイヤーに変換するには

2

[レイヤーオプション] ボタン をクリックし、[デフォルトレイヤーに変換] を選択します。

レイヤー調整ツール

レイヤー調整ツールを使用して、レイヤーを選択・使用することができます。ツールボックスからレイヤー調整ツールを選択すると、レイヤーを自動的に選択するオプションや階層内のレイヤーの順序を変更するオプションがプロパティバーに表示されます。詳しくは、レイヤーを選択するおよびレイヤーの階層を変更する.を参照してください。

レイヤー調整ツールを使用して、レイヤーをカット、コピー、ペースト、移動、および複製することができます。詳細は、レイヤーを作成するを参照してください。

レイヤーを作成する

[レイヤー] パネルから直接、ピクセルベースのレイヤー、水彩レイヤー、またはリキッドインク レイヤーを新規作成できます。書類間でレイヤーを複製およびコピーすることも可能です。

レイヤーの作成方法によって、[レイヤー] パネルでレイヤー階層内に表示されるレイヤーの位置が決まります。レイヤーを作成すると、新規レイヤーは、パネルで選択したレイヤーのすぐ上に配置されます。選択していたレイヤーがグループに属す場合は、新規レイヤーもそのグループに追加されます。レイヤー グループを選択すると、そのグループの上に新規レイヤーが表示されます。詳細は、レイヤーをグループ化するを参照してください。

選択範囲からレイヤーを作成することもできます。選択範囲から作成するには、選択範囲のコンテンツを新規レイヤーにコピーまたは変換します。詳細は、選択範囲の作成と保存を参照してください。選択範囲を使用して、複数のレイヤーの内容をコピーすることもできます。

ダイナミック レイヤーの作成方法について詳しくは、ダイナミック レイヤーを作成するを参照してください。ベクタ シェイプ レイヤーの作成方法について詳しくは、シェイプを作成するを参照してください。

新規レイヤーを作成するには

目的	操作内容
レイヤーを作成する	[レイヤー] パネルで、[新規レイ ヤー] ボタン をクリックします。
水彩レイヤーを作成する	[レイヤー] パネルで、[レイヤーオプション] ボタン をクリックし、 [新規水彩レイヤー] を選択します。
リキッドインク レイヤーを作成する	[レイヤー] パネルで、[レイヤーオプション] ボタン をクリックし、 [新規リキッドインクレイヤー] を選択します。

レイヤーを複製/コピー/ペーストするには

1

ツールボックスからレイヤー調整ツール を選択します。

2

プロパティバーの [レイヤー自動選択] ボタン をクリックします。

目的	操作内容
レイヤーを複製する	書類ウィンドウで Option キー (Mac OS) または Alt キー (Windows) を押したまま、そのレイヤーをクリックします。 元のレイヤーの上にレイヤーが複製されます。元のレイヤーを表示するには、書類ウィンドウ内で新規レイヤーをドラッグします。
複数の書類間でレイヤーをコピーする	書類ウィンドウでレイヤーを選択し、以下のいずれかの操作を行います。 •   書類ウィンドウでそのレイヤーを別の書類にドラッグする。 •   [編集] [コピー] を選択し、他の書類を表示して [編集] [ペースト] を選択します。

[編集] [新規イメージにペースト] を選択して、コピーしたレイヤーを新規書類にペーストすることもできます。

選択範囲からレイヤーを作成するには

目的	操作内容
選択範囲をレイヤーに変換する	[選択] [レイヤーに変換] を選択するか、レイヤー調整ツール を使用して選択範囲をクリックします。
選択範囲を変換/カット/レイヤーに移動する	レイヤー調整ツール を使用して、選択範囲をドラッグします。
選択範囲をレイヤーにコピーする	Option キー (Mac OS) または Alt キー (Windows) を押したまま、レイヤー調整ツール を使用して選択範囲をクリックします。
選択範囲をレイヤーにコピー/移動する	Option キー (Mac OS) または Alt キー (Windows) を押したまま、レイヤー調整ツール を使用して選択範囲をドラッグします。

複数のレイヤーから選択範囲をコピーするには

2

[編集] [結合部分をコピー] を選択します。

レイヤーに名前を付ける

Corel Painter は新しいレイヤーやグループにデフォルトの名前を割り当てます。この名前は、オブジェクトの種類と作成順を示しています。たとえば、ピクセルベースのレイヤーには「レイヤー 1」、「レイヤー 2」という名前が付けられます。シェイプ レイヤーの名前は、作成に使用したシェイプ デザイン ツールに基づいて付けられます。たとえば、長方形シェイプ ツールを使用した場合は「長方形 #」、楕円形シェイプ ツールの場合は「楕円 #」、ペンツールまたはフリーハンドツールの場合は「シェイプ #」という名前になります。

多数のレイヤーやグループを書類に追加すると、各レイヤーにどのイメージが含まれているかが分からなくなる可能性があります。レイヤーやグループに分かりやすい名前を付けることにより、イメージを構成する各要素を把握しやすくなります。

レイヤーまたはグループに名前を付けるには

[レイヤーオプション] ボタン をクリックして [レイヤー属性] を選択し、[名前] ボックスに名前を入力して、レイヤーに名前を付けることもできます。

レイヤーを含むファイルを保存する

Corel Painter の書類を RIFF 形式で保存すると、「使用中」のレイヤーも一緒に保存することができるため、そのファイルを再度開いたときも保存されたレイヤーはそのままの状態で機能します。レイヤーを元の状態のまま維持できるのは、RIFF 形式のみです。

Corel Painter の書類を PSD (Photoshop) 形式で保存すると、全レイヤーが Photoshop 標準の透明レイヤーに変換されます。Photoshop ではグループが維持されず、グループを構成する各レイヤーは Photoshop 独自のレイヤーに変換されます。Corel Painter でのレイヤーのグループ化について詳しくは、レイヤーをグループ化するを参照してください。

Corel Painter の書類を PSD 形式で保存する場合は、Corel Painter の各レイヤーの合成方法がどのように Photoshop のブレンド モードに変換されるかに注意してください。

合成方法について詳しくは、合成方法を使用してレイヤーをブレンドするを参照してください。

RIFF または PSD 以外の形式でファイルを保存すると、レイヤーが単一の背景イメージに固定されます。

レイヤーを削除する

[レイヤー] パネルからレイヤーを削除することはできますが、キャンバスを削除することはできません。

レイヤーを削除するには

•

[レイヤー] パネルの下部にある [削除] ボタン をクリックします。

•

[レイヤーオプション] ボタン をクリックし、[レイヤーを削除] を選択します。

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