次のセクションでは、ブラシカテゴリの説明をアルファベット順に示します。これには、Corel Painter に搭載されているブラシカテゴリのについての説明、および一部のブラシバリアントについての説明が記載されています。
[アクリル] カテゴリのブラシバリアントは、実際の絵具と同様な、キャンバスに速乾性のペイントを施すことができる便利なブラシです。ほとんどのブラシは下になるブラシストロークを塗り潰すことができ、多くは多色使いのブラシストロークに対応しています。また、アクリル ブラシバリアントの一部は、下にあるピクセルと混じり合ってリアルな効果を演出します。
エアブラシはスプレーで色を吹き付ける、感触も操作も本物にそっくりなブラシです。ただし、バリアントの中には色の重ね塗り方法が異なるものがあります。ほとんどのエアブラシは 1 回のブラシストロークで色を重ね塗りすることができますが、この機能を持たないデジタルエアブラシもあります。デジタルエアブラシで色の重ね塗りを行う場合は、ブラシストロークを何度もオーバーレイする必要があります。
[エアブラシ] カテゴリのバリアントは、Wacom のエアブラシ スタイラスに完全対応しています。詳しくは、エアブラシ コントロール.を参照してください。
[アーティスト] カテゴリのブラシバリアントは、絵画の巨匠の画風を模したブラシです。ヴィンセント ヴァン ゴッホの絵のような、それぞれのストロークに複数の色があるタッチで描いたり、ジョルジュ スーラの点描のようにたくさんの点の集まりがイメージを形作る手法で描いたりといったことができます。
アーティスト ブラシバリアントを使用すると、ドラッグにより、大きなブラシストロークを素早く描くことができます。[カラー範囲] 設定を変化させることで、ブラシストロークの色の出かたを調節できます
ブレンドは触れたところのピクセルをずらしたり色を混ぜたりするブラシです。このカテゴリのバリアントは、水やオイルで絵具を溶かし混ぜる動作を模倣します。また、鉛筆スケッチや木炭ドローイングで実際にするように、線を柔らかくしたり陰影をつけたりするのにも使えます。
[チョーク] カテゴリのブラシバリアントは、本物のチョークのような厚付きで表情に富んだストロークで描画します。紙のテクスチャをよく反映し、不透明度はスタイラスの筆圧に反応します。
[クレヨン] カテゴリのブラシバリアントのタッチはさまざまです。ソフトなもの、固めのもの、透明感のあるもの、テクスチャが強く出るものといろいろですが、すべてテクスチャに反応します。他のドライメディア系ブラシと同じく、スタイラスの筆圧で不透明度が変化します。
[木炭] カテゴリのブラシバリアントには、鉛筆タイプから、ハードタイプ、ソフトタイプの木炭スティックまでさまざまな描き味のものがあります。他のドライ メディア系ブラシと同じく、スタイラスの筆圧で不透明度が変化します。[ブレンド] カテゴリのブラシバリアントを併用すると、木炭の線の輪郭をぼかしたりブレンディングすることができます。よく使う [木炭] カテゴリと [ブレンド] カテゴリのバリアントをカスタムパレットに登録しておくと、ブラシの持ち替えがスムーズにできます。
[コンテ] カテゴリのブラシバリアントは、[チョーク] カテゴリと同じく、紙のテクスチャがはっきり出るストロークで描画します。他のドライ メディア系ブラシと同じく、スタイラスの筆圧で不透明度が変化します。
[クローン] カテゴリのブラシバリアントは動作そのものは他のブラシと同じですが、クローンソースまたはサンプリング ソースの色を写し取って描画するという特徴を持っています。元のイメージは写し取られると同時にブラシの特性によってフィルタ効果がかかり、パステルチョークや水彩などの絵画的なタッチに変換されます。詳しくは、クローン コントロールおよびイメージのクローン作成と採取.を参照してください。
[デジタル水彩] カテゴリのブラシバリアントはキャンバスのテクスチャを生かしつつ水彩らしいストロークで描画します。[水彩] カテゴリのブラシバリアントは [水彩レイヤー] でしか使えませんが、デジタル水彩ブラシストロークはキャンバスを含め、すべての標準的なピクセルベースのレイヤーで使えます。たとえば写真に水彩のタッチを追加したい場合、デジタル水彩であれば別レイヤーにせず、じかに描き加えられます。白紙から水彩画を描き始めるなら、[リアル水彩] または [水彩] ブラシバリアントのほうが、絵具の流動や混色、紙への浸み込みがよりリアルです。詳しくは、リアル水彩コントロールおよびデジタル水彩コントロール.を参照してください。
デジタル水彩ブラシはスタイラスの筆圧でストロークの太さが変化します。例外は水彩消しゴムです。
[消しゴム] カテゴリのブラシバリアントには 3 つのタイプがあります。[消しゴム]、[ブリーチ]、[ダークナー] です。[消しゴム] タイプは消したところがキャンバスの色になります。[ブリーチ] は色を徐々に抜いていき、最終的に白くします。[ダークナー] は [ブリーチ] の反対の作用で、徐々に色を濃くしていき、最終的には黒くします。どのタイプのバリアントもスタイラスの筆圧で作用する強さが変化します。
[F/X] のブラシバリアントは、面白いものばかりです。色がつくものもあれば、下にあるイメージを変化させるものもあります。このカテゴリのブラシを知るには、実際に既存イメージの上と白いキャンバスの両方で試してみるのが一番です。
[紙目歪み] や [紙目ムーバー] などは、歪ませつつ色をブレンドします。[ハリケーン]、[乱流]、[水の泡] などは独特で目立つ効果を持つバリアントです。
フィルタ ブラシを使用すると、イメージの下にある色にブラシストロークの色合いを追加します。たとえば、黄色のブラシストロークの場合は、下にある色が黄色味を帯びた色になります。フィルタ ブラシでは、統合モード ブラシコントロールを使用して効果を出します。詳しくは、一般コントロール: ストロークの属性.を参照してください。フィルタの効果は、フィルタ合成方法を使用してレイヤーをブレンドする場合と似ていますが、レイヤーを使用しなくも、同じ結果を得ることができます。
[グワッシュ] カテゴリのブラシバリアントには水彩の滑らかさとアクリルの不透明さを合わせた特性があります。細かい描写用の細筆から、平筆、さらに厚塗りの筆までバラエティがあります。このカテゴリのバリアントは不透明なので、下にある色を隠すストロークになります。
[イメージホース] は特殊なブラシで、色で描くのではなく、イメージ部品を使って描画します。このとき使うイメージ部品は「ノズル」という特別な種類のイメージ ファイルから読み込まれます。それぞれのノズルが多数のイメージ部品を持ち、ブラシ設定によって速度、筆圧、方向など、スタイラスからの入力に応じて変化させながら、イメージを散布します。詳しくは、イメージホース コントロールおよびイメージホース.を参照してください。
[イメージホース] のバリアント名から、スタイラス入力のどのような要素が描画を変化させるのかがわかります。たとえば、[ライン-サイズ-P 角度-R] というブラシバリアントは、サイズが筆圧 (P) で変化し、角度はランダム (R) になる設定です。
[インパスト] カテゴリのブラシバリアントは、キャンバスに絵具を厚く塗って立体感を出す古典技法を模したものです。ブラシストロークの奥行き情報はレイヤーと一緒に格納されますが、この情報を表示するにはインパスト情報を表示する必要があります。詳しくは、インパスト コントロールおよびインパストの基本.を参照してください。
[エッチング]、[透明ニス]、[レーキ(奥行き)]、[ザラ目スプレー(無色)] などのバリアントは立体感を加えるのみですが、残りのバリアントは現在の選択色で立体感のあるストロークを描きます。
リキッドインクは、ねっとりしたインク媒体と色のペイントを統合したブラシです。[リキッドインク] カテゴリのブラシバリアントは、インクで描画するもの、インクを消す「レジスト」効果を持つもの、エッジを柔らかくならすものの 3 種類に大きく分類できます。最初のストロークを描くと、新しいレイヤーが自動的に作成されます。リキッドインクで 3D 効果を出すこともできます。詳しくは、リキッドインク コントロールおよびリキッドインク ブラシを使用する.を参照してください。
マーカー カテゴリのブラシバリアントは、従来の実際に使用されるマーカーを複製します。種類も極細から先の太いものまで、ペン先の形状もさまざまで、不透明度にも幅があります。
一部のマーカーバリアントで作成するストロークは、マーカーバリアントがキャンバスと相互作用する仕組みに基づいて、実際の高品質なマーカーを忠実に反映します。たとえば、Corel Painter のレンダリングマーカー (平筆) では、カラーの重ね塗りと溜まりができます。詳しくは、ハードメディア バリアントを使用する.を参照してください。
[油彩] カテゴリのブラシバリアントは、まさに油彩のようなタッチで描画します。このうち、半透明のものはグレージング手法に向いています。残りの不透明なものは下の色を塗潰します。
[油彩] カテゴリのブラシバリアントは、本物の油絵具を扱うのと同じように色を混ぜて塗ることができるブラシです。ミキサーパッドで色を混ぜ、それをそのままキャンバスに持っていけます。さらにキャンバス上でも既に置かれている色と混ぜ合わせて色を作れます。さらに、ミキサーパッドから複数の色を読み込むことができます。また、油彩ブラシにはストロークごとに乗る絵具の量が設定されていて、絵具がキャンバスに移るにつれてストロークは薄くなります。レイヤーはキャンバスと違って、ウェットな地塗りのような効果を持たないため、レイヤー上ではストロークが薄くなるまでの時間は長くなります。
油彩カテゴリのブラシバリアントにはパレットナイフもあり、キャンバス上でじかに絵具を混ぜるのに使えます。油彩ブラシには、専用のブラシチップが 6 種類用意されています。詳しくは、アーティストオイル コントロールおよびアーティストオイルのブラシチップのタイプ.を参照してください。
パレットナイフはイメージの色をこすり落としたり、押して移動したり、引きずったりするとき使います。ブラシバリアントの中で 1 つだけ、[色乗せパレットナイフ] は現在の選択されている色がつくバリアントです。パレットナイフの描点は常にスタイラスの柄と並行です。
オイルパステルを含む [パステル] カテゴリのブラシバリアントは、テクスチャがはっきり出る固めのものから、滑らかに描けて下の色をきれいに塗潰す特別に柔らかい (X-ソフト) タイプのものまで、いろいろなものが揃っています。不透明度がスタイラスの筆圧で変化するブラシです。
[オイルパステル] カテゴリのブラシバリアントは、本物のパステルスティックのようなテクスチャのあるしっかりしたストロークで描画します。このカテゴリのブラシバリアントの多くは下にある色を現在の選択色で塗り潰しますが、[オイルパステル(濃淡)] は色を拾って混色しつつ描画します。ドライメディア系のブラシなので、スタイラスの筆圧で不透明度が変化する設定になっています。
[パターンペン] カテゴリのブラシバリアントはパターンをブラシに乗せて描画します。ブラシストロークになって描かれるパターンは、縮尺や不透明度が変化しています。たとえば、マイクロパターンペンはパターンを縮小して描きますし、透明パターンペンはパターンを半透明に変換します。詳しくは、パターンでペイントする.を参照してください。
[鉛筆] カテゴリには、[鉛筆] と [色鉛筆] のブラシバリアントが含まれています。
[鉛筆] カテゴリのブラシバリアントは、スケッチから精密な線画まで、実際の画材として鉛筆を使うような作業に最適です。本物の鉛筆と同じようにキャンバスのテクスチャで表情が出ます。多くのバリアントが重ねて描くと色が暗くなる重ね塗りタイプで、どれも不透明度がスタイラスの筆圧で変化します。鉛筆の線の太さはストロークの速さに応じて変化し、速くドラッグすると細い線になり、ゆっくりドラッグすると線が太くなります。
[ペンツール] ブラシカテゴリには、[ペンツール] と [カリグラフィ] のブラシバリアントが含まれています。
[ペンツール] カテゴリのブラシバリアントは、インク詰まり、インク漏れ、インク切れといった実物のペンの欠点に悩まされることなく、スクラッチボードレーキや竹ペンなどそれぞれ本物に非常に近い線で描けるブラシです。
テクスチャのある紙の上に描いたカリグラフィペンのようなストローク、カリグラフィブラシの滑らかな筆跡、その他にもいろいろ表現力のあるバリアントがあります。
[フォト] カテゴリのブラシバリアントは既存のデジタルイメージやアートワークのレタッチに使えます。たとえば、色調を変えたり、キズを消したり、ぼかしを加えたり、シャープにしたりという作業ができます。グレースケール イメージに色を追加することもできます。
[リアル水彩] ブラシバリアントのブラシストロークは、自然な方法で絵具を流して適用するため、リアルな水彩ペイントを作成する場合に便利です。また、ブラシストロークはテクスチャおよび粗さに反応して、実際の水彩と同様な結果を生成します。リアル水彩ブラシコントロールを変更すると、さまざまな効果を出すことができます。詳しくは、リアル水彩コントロール.を参照してください。
[リアルウェット油彩] ブラシバリアントは、リアルな油彩ブラシストロークを描く場合に便利です。[リアルウェット油彩] ブラシバリアントを使用すると、オイル ペイントと標準タイプを混ぜ合わせた場合のように、ペイントの粘りや色の濃度を調整することができます。[リアルウェット油彩] ブラシコントロールを変更して、さまざまな効果を出すこともできます。詳しくは、リアルウェット油彩.を参照してください。
スマートストローク ブラシバリアントは他のブラシカテゴリでよく使用されるブラシバリアントに基づいていますが、フォト ペインティング システムで使用するために最適化されています。フォト ペインティング システムについて詳しくは、写真を自動ペインティングするを参照してください。
[スポンジ] は現在の選択色で下にある色を覆い隠したり、あるいは混色したりしながら、画面に表情を与えるのに使います。いくつかのブラシバリアントはスタイラスでクリックするごとにランダムな角度でスポンジを当てていきます。[紙目ウェットスポンジ] などのウェットなタイプのものは、キャンバス上をドラッグした道筋を追うように描画します。[色引きウェットスポンジ] はドラッグした道筋に沿って、選択色を地色と混色しながら描画します。
[墨絵] カテゴリのブラシバリアントは墨絵スタイルの流麗な筆のストロークのためのものです。さまざまなブラシサイズおよびシェイプを使用して、墨絵の筆使いを再現できます。
[ティント] カテゴリのブラシバリアントは写真や既存のアートワークを加工するのに使えます。たとえば、白黒写真に標準丸筆で半透明に着色するといった手法です。着色はそのためのレイヤーを作成し、合成方法を [フィルタ] または [モノクロ/カラー変換] にして行いますが、色ごとに個別のレイヤーに分けて重ねるとさらに細やかな表現やドラマチックな演出ができます。ティント ブラシの一部は、統合モード ブラシコントロールに基づいています。詳しくは、一般コントロール: ストロークの属性.を参照してください。
[水彩] カテゴリのブラシバリアントは水彩レイヤーを使い、絵具の流動や混色、紙への浸み込みを生かした描画ができます。最初のストロークを描くと同時に専用の水彩レイヤーが自動的に作成されます。ブラシの水分量や紙から水が蒸発する速度などを設定でき、本物の水彩のような効果が得られます。バリアントの多くはキャンバスのテクスチャに反応します。写真画像を開いて [キャンバスを水彩レイヤーに変換] すれば、水彩ブラシの効果を写真に加えることもできます。詳しくは、水彩コントロールおよび水彩.を参照してください。
その他の水彩ブラシバリアントの保存について詳しくは、リアル水彩.を参照してください。
キャンバスにじかに描画するには [デジタル水彩] を使います。
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